【編集長インタビュー】DAMA世代の生き方、ライフスタイル、おしゃれのこと

シリーズでお届けしているDAMA編集長インタビュー。第3弾となる今回は、DAMAシリーズの総指揮を取る天利美智代編集長に、DAMA世代である50代、60代の女性像やファッションについて聞きました。

いくつになっても美しくいたい。それがDAMA世代

――DAMA世代である50代、60代の女性について、生き方や求めているものなど、編集長の立場からどのように感じていらっしゃいますか。

 天利 私たちが思っている以上にアクティブですよね。同じ50代、60代の男性に比べると、女性の方が圧倒的に元気だと思います。『DAMA collection』を立ち上げるときに、50代の女性たちは何を考えているのかを探っていたのですが、そんなときに目にしたアンケートで、「50代で何をしたいですか?」という質問の答えが「恋をしたい」が一番多かったんです。「旦那さまのことよりも、気になるのは子供と両親のこと」「どこかに行くのなら夫とではなく友達と行きたい」という回答が多かったのは10年前のことですね。

 ――仕事で現役から退いた旦那さまが「役目が終えた」と感じるのとは対照的に、女性はますます元気になっていくような気がします。

 天利 女性はやっぱりいくつになっても恋をしていたい、キレイでいたいというのが本能的にあるのかなと思います。恋したい気持ちがあると元気が出ますし、「美しくあろう」と思いますよね。本当は、男性にもそういう気持ちを抱いてほしいんですけど(笑)。男性は、通勤時のスーツ姿は良かったのに、プライベートで着るものには驚くほど無関心という人も多いじゃないですか。

 ――ただ「楽だから」になってしまう、という。

 天利 スウェットに落ち着いてしまう方もいれば、ゴルフウェアでどこへでも出かけてしまう方もいますよね。本当は、パートナー同士で刺激しあえるのが理想的。年を重ねて“つまらない人”になってはいけないと思うんです。いつでも「ちょっとドキドキする」、そんなパートナーでいて欲しいじゃないですか。

 ――旦那さまに向けてもおしゃれをしたいと思えるのが一番ですよね。せっかくおしゃれをして、「さあ、出かけよう」となったときに、旦那さまの格好に「え……?」となってしまったら、レストランに行くときの気持ちも高まらないですし。

 天利 会話がない、ときめきがない。そうなると一緒に出かけなくなってしまいますよね。また、そこには体型の変化も大きく影響しているのだと思います。

 “35歳の感覚”に素材とシルエットで年齢らしさをプラス

――ファッションの面ではいかがですか?

 天利 50代になると、体型の変化が大きく出はじめます。20代、30代の体型を維持しようと努力はしても、お腹まわりや二の腕にお肉がつき、首が短くなり、顔はくすみ、バストも下がってくるという、目に見える部分での変化があります。それにともなって似合う色も変わってくるはずです。

 ――かつての50〜60代女性と、現代を生きている50〜60代女性では、色使いなどもアクティブになっていると感じますか?

 天利 そうですね。50代とはいっても、感性は“7掛けの35歳”ぐらいなのではないかと思っています。でも35歳の感覚で、DAMA世代に見合うグレードの素材感の服がなかなかないんです。そこでDAMA世代への提案としては、「30代後半の人が着たいものを、50代の人も着たい」ということを考えながら、素材を吟味し、サイズの問題をクリアしてパターンの作り方も変えていく、ということになります。

 ――そういったことを叶えてくれる服を買えるところって本当に思いつかないですね。

 天利 インポートブランドに年代の制限はないのですが、お値段が高いですよね。「着たいけど着られない」という方も多いと思うんです。それをなるべくリーズナブルにして、「どういう素材か」というこだわりの部分も事細かくお伝えすることで、コストパフォーマンスを感じていただけるように努めています。

 ――インポートブランドのパンツだとどうしても着丈が長くなってしまいますが、「価格が高いのに裾を切りたくない」というジレンマがあります。

 天利 そう。そこでミセス売り場に行ってみると、欲しいと思うキレイな色があまりない……。そういった悩みに応えるために、“35歳の感覚”をリアルなサイズやシルエットに落とし込んだ商品を揃えるのがDAMAの役割だと思っています。

 小物からスタイリングを作っていくことで進化する

――コーディネートをするにあたって、小物使いについてのアドバイスはありますか?

 天利 年代が上がってくるとストールは必需品になります。若いころのようにタートルネックを着ることが苦悩に感じたり。首元が寒いから巻き、暑かったら外す、という風に自分で調節ができるストールは手放せなくなりますね。もちろん、トレンドカラーを巻くという意味合いもあります。

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イタリア糸リネンニット ストール

――ポイントで流行を取り入れるんですね。

 天利 いくつになっても遊び心は大切にしていたいですし、ストールなどの小物なら旬のカラーを取り入れることも簡単です。そのほかにも、帽子をプラスしたりバイカーブーツを取り入れたりすると、またスタイリングが変わってきます。

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透かし編み 中折れハット

――小物を決めて、そこから全体をスタイリングをしていくという方法もあるんですね。それはワクワクします。

 天利 いつものパンプスではなくてバイカーブーツを履いたら、「じゃあパンツのシルエットを変えてみる?」となりますよね。

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ヌバック パンチング エンジニアブーツ

 ――小物のチョイスの段階で少し勇気を出して旬のものをひとつ決めれば、ほかの部分もアレンジする勇気が湧いてくるということでしょうか。

 天利 そう思います。バッグの色ひとつ取っても、あるひとつの色を選んだら、「ほかのアイテムはどうしよう」と考える。「白いバッグがほしい」と思って買ったら、それにはどういう風に合わせようか……。そこでまたひとつ考えますよね。そうすることでスタイリングに進化が起こるのではないでしょうか。

 美しいものや自然を感じ、楽しむ人生を

――「私なんてもうこの歳だし……」と諦め気味の女性もいらっしゃると思います。そういった方がメンタルやおしゃれに磨きをかけていくためには、どういったことを心がけていけばいいでしょうか。

 天利 「いろいろなものに興味を持つ」「美しいものを見る」ということだと思います。海外から美術展が来たら足を運んだり、国内外を旅したり。そこで感じるものが必ずあるはずです。日々慌ただしくしていると季節の変化を忘れがちですが、「季節の移ろいを楽しむ」ということも大切。だって、自然の色は素晴らしいじゃないですか。

 ――特に春夏は鮮やかな色彩に満ちていますね!

 天利 「楽しむ」ということが大事だと思います。自分のための人生ですし、自分が楽しくなければまわりの人も楽しくないですよね。朝ちょっと早く起きるだけで、その日が全然変わってきませんか? 夕焼けを見たときに心が洗われたり、感動できるものって実はまわりにたくさんあると思います。

 ――本当にそうですね! ありがとうございました。

 文:醍醐由貴子 Yukiko Daigo

ライター。女性誌、男性誌を問わずさまざまなフィールドで活動中。フリーランスのPRとしても飲食店やプロジェクトを担う。

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