パリジェンヌに学ぶニットスタイル

暖かい日が続くな、と思っても急に気温が下がったり。そんな日はニットのトップスを愛用したくなります。重ね着の必要もなく、一枚で着られる上、色のバラエティも充実しているので、セレクションの楽しみもあります。でも、何回か着ていくうちに、スタイルに飽きがきてしまうのも事実です。では、飽きにくいニット選びのポイントや着こなしには、どんなものがあるのでしょうか。まずは、どんなアイテムでも着こなしてしまう、パリのマダムからそのヒントを見出してみます。

パリジェンヌの凛とした装いの秘訣は「ベーシック」

ストレートなラインでシンプルなニットは、ベーシックな定番アイテム。おしゃれ上手なパリジェンヌ・マダムは、この定番アイテムを凛と着こなしてしまいます。何を着てもサマになってしまうパリジェンヌたちですが、彼女たちが選ぶものは極めてシンプルな定番アイテムがほとんどです。彼女たちは自分に何が似合って、何が似合わないのかを判断し、ゴテゴテと着飾ることを避けているように思えます。

また、フランス人の多くは、お金を払うということに対して非常にシビアなため、衝動買いではなく、じっくり考えて品物を選ぶ傾向にあります。そのため、長く使えて、あらゆる機会に取り入れやすいアイテムを最終的に選択するのです。

パリジェンヌの憧れのファッションアイコンたちも

パリジェンヌの憧れで、未だにファッションアイコンであり続けているジェン・バーキン(68)や、イネス・ド・ラ・フリッサンジュ(57)も、定番アイテムを愛用し続けています。無地のストレートシルエットのニットにとどまらず、白いワイシャツ、トレンチコート、スニーカー、ジーンズ、ギンガムチェックのアイテム、ネイビージャケットなど、誰もが取り入れやすいアイテムを、自分流に着こなしてしまうのです。ここで、彼女たちから学びたい一番のポイントは、定番アイテムを使ったスタイルが、「自分に似合っている」ということです。では、どのような着こなしならば、どんな人でもサマになるのでしょう。

「長め&ゆったりニット」をワードローブに

今年、パリの街の店先で多く見かけるのが、ヒップまですっぽり覆うような、長くてゆったりしたシルエットのニットです。こんなアイテムなら、コンプレックスを抱きがちな部位を何気なくカバーしながら、パンツスタイルをすっきりと見せてくれます。少し短めのワンピースを着ているくらいの丈を選び、肩幅などをジャストサイズで着こなせば、パンツスタイルも格好よくきまります。あとは、ロングブーツを合わせ、パンツの裾をブーツに入れて、乗馬スタイルを楽しむこともできます。もちろん、パンプスで足もとを華奢にまとめれば、フェミニンな印象を与えられます。

947004f6.jpg

セーブリッチ ホールガーメントニット Uネックプルオーバー

 

エクリュやグレー。同系色づかいがパリジェンヌ流

無地の定番のニットスタイルを完成させる時に気をつけたいのが、全体的な色のまとまり感です。パリのマダムがエレガントに見えるのは、同系色のトーンでまとめた装いを心がけているから。そこで、どんな女性をも凛と美しくみせてくれるのが、黒よりも少しライトで明るい印象を与える、エクリュ系やグレー系のトーンです。

エクリュとは、クリームのように黄味がかった白色のことです。エクリュトーンのコーディネートに、グレーにはブーツとバイカラーのコートをさし色に選びましょう。

952902c1.jpg

 イタリア糸メリノスーパーエキストラファインウールタートルネック セーター

また、全体的に暗いトーンのコーディネートに、グレーのアウターを持ってくることで、少しライトな印象を与えてくれます。インナーに、さらにグレートーンのアイテムが増えても、全体的にまとまり感を演出できるでしょう。

ほかにも、ベーシックなカラーだけではなく、華やぎを添えるような、差し色づかいのできるニットを一点持つだけで、気分転換になります。

040102c1.jpg

カシミヤセミ梳毛 ラウンドネック カーディガン

 

ニットアイテムに頼りたくなるこの季節。パリの洗練されたマダムのようにピンと姿勢を正して、自分に似合ったスタイルを、シンプルに着こなしたいものです。

 

文:下野真緒 Mao Shimono

出版社の女性誌編集部勤務を経て、フランスへ留学後、そのまま移住へ。5年間のフランス南西部での生活を経て、現在はパリ在住。フランスの美容・ファッション・食・ライフスタイル・社会などを雑誌やwebサイトに執筆。

関連記事