フレッシュな天然素材と秋空を求めて、北海道三ツ星フレンチ・オーベルジュ巡りへ

秋空に誘われて、ふらり美食の旅へと出かけたくなる季節になりました。秋の澄んだ空気が一層景色を美しく彩る北海道は、観光、食の面でも訪れる楽しみがあふれています。いろいろな料理を味わいつくしてきた50代の女性にとって、フレッシュな天然素材を存分に使用した料理こそが美食の条件ともいえます。そこで是非とも訪れてみたいのが、北海道・札幌にある三つ星フレンチ・レストラン「モリエール」です。

「フランス料理界の巨星」もその料理に舌鼓。「北海道フレンチ」ジャンルを築いた三ツ星レストラン

こちらは、フランスでの修行を終えた3人のシェフたちが、故郷の北海道に30年前にオープンしたレストランです。羊蹄山麓・真狩村で収穫された野菜や、北海道の魚介類、十勝牛など、豊かな旬の素材を使ったメニューを提供するだけでなく、素材そのものの旨味を引き出したお料理が人気の秘訣です。また、こうして北海道産の天然素材を活かす可能性を、常に追求する姿勢は、「北海道フレンチ」というジャンルを確立するに至りました。

フランスの三ツ星シェフであり、「フランス料理界の巨星」と称されたアラン・シャペル(1937-1990)からも「モリエール」の料理は絶賛され、2012年には、『ミシュランガイド 北海道2012特別版』で最高評価となる三ツ星を獲得しています。

そんな「モリエール」の秋の人気お料理は、舞茸の香りを存分に楽しめるコンソメフラン。また、新鮮な鱈の白子をふわりと口の中でとろける火入れ加減に仕上げた料理などです。季節の移ろいとともに、お皿に並ぶ天然素材も変わりゆく、「モリエール」ならではの味が、見た目の美しさとともに楽しめます。

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シェフ自らが野菜を育て、狩猟をする「日本ナンバーワンのオーベルジュ」

続いて訪れたいのが、「日本ナンバーワンのオーベルジュ」という称賛をも手にした、羊蹄山麓・真狩村にひっそりと佇む「マッカリーナ」です。「風のレストラン」をテーマにしたこちらのレストランは、「モリエール」から派生した宿泊棟つきのレストランでもあります。

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窓一面が草木の色を映す、自然豊かな大地に目覚め、シェフが自ら育てた野菜や狩猟してきたジビエをふんだんに使ったお料理に舌鼓を……。澄んだ空気に触れ、天然素材をフレッシュな状態で味わうことができる「マッカリーナ」では、まさに心豊かな時間を過ごすことができそうです。

絶景の美瑛町が育む小麦畑で、焼きたてのパンの香りに目覚める。

北海道を代表する観光地で知られる美瑛町は、秋の紅葉が望める美しいスポットです。一方、この美瑛の丘の景観は、主要農産物でもある小麦によるところが大きいといいます。そこで、美瑛を訪れたら足を運びたいのが、小麦をはじめ、野菜の恵みを感じさせてくれるレストラン「ビブレ」(宿泊施設付き)です。

ビブレのパン工房では、石臼で小麦を挽き、薪で焼いたモチモチのパンができたてで味わえ、目の前の畑から獲られた、色とりどりの野菜を使ったお料理が味わえます。実はこの「ビブレ」も、レストラン「モリエール」をルーツとし、2014年4月オープンしました。そばには「美瑛料理塾」をつくり、未来の料理人を育む取り組みもしています。

パリのレストランさながらの空間で色彩溢れる料理の数々を少しずついただく贅沢

最後にご紹介したいのが、パリでフレンチを味わっているような雰囲気に浸れる、札幌のフレンチレストラン「ラ プリュム ローズ」です。

パリの屋根を彷彿とさせるブルーグレーの門、ロココ調の華やかな白いメインホール、ゆっくりとくつろげる個室や部屋に華やかさを添えるスワロフスキーのシャンデリア……。そして、フランスから持ってきたアンティークのオブジェや、エルメスのティーカップ。パリの星付きレストランさながらの空間では、細部にいたるまで手をかけた北海道の天然素材が、目にも美しい料理となっていただけます。

2013年12月にオープンしたこちらのレストランでは、パリの三ツ星レストラン「タイユヴァン」や「ピエール・ガニェール」などで経験を積んだ、現在36歳の若手シェフが腕をふるっています。

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「ラ プリュム ローズ」シェフの千葉清孝(ちば・きよたか)さん。パリの三ツ星レストランで実感したという、調理場での緊張感や、どの過程でも丁寧に仕上げるスタッフのプロ意識の高さなどをそのまま受け継いでいます。

 「ラ プリュム ローズ」では、北海道の素材はもちろん、水や油にまでこだわり、塩分を抑えながらもギリギリまで旨味を引き出したお料理を多種・少量でいただけるのがうれしいところです。秋のメニューには、ジビエのエゾ鹿や野鴨、色とりどりの根菜類やきのこ類、イモ類などの山の幸、また、秋鮭、秋刀魚、蟹、牡蠣などの海の幸をおいしくいただけます。

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ハロウィンのリースをイメージした、脂がのった希少な秋カツオを、ミ・キュイ(食材の中まで微妙に火を通す調理)で。色とりどりの野菜とともに、わさび風味のパセリクリームをアクセントにきかせた前菜プレート。シャブリやボジョレーのワインと合わせていただきます(写真の秋カツオは、限定の産地仕入れのため、時期によっては「秋鮭」に変更)。

 いろいろな料理を味わってきた大人の女性をも満足させる、北海道の天然素材が味わえるレストラン。贅の極みをつくした秋の旅へ、早速出かけてみましょう。

 

著者プロフィール:下野真緒

 

出版社の女性誌編集部勤務を経て、フランスへ留学後、そのまま移住へ。5年間のフランス南西部での生活を経て、現在はパリ在住。フランスの美容・ファッション・食・ライフスタイル・社会などを雑誌やwebサイトに執筆。



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